臨終から納棺まで

宗教について検討する

●葬送儀礼の宗教を決める手順
日本の葬儀の94%は、仏式で行われています。神式が2%、キリスト教式が1%、新宗教が2%、そして無宗教形式が1%となっています。全国的にはまだ少ないものの、いずれの宗教宗派にもよらない無宗教葬が、大都市を中心に徐々に増加する傾向がみられます。
江戸時代から続く檀家制度の影響もあって、「葬儀は仏教で」という慣習が日本では根強いのですが、「信教の自由」は、基本的人権として憲法でも保障されていることです。
葬送儀礼の宗教を決めるときは、次のような手順で考えましょう。

①故人の宗旨による。
②故人の宗旨がわからない場合は、家族の宗旨による。
③故人・家族の宗旨が明らかでない場合は、家族で相談して決める。

故人を送る儀礼なので、家族の宗旨よりも、まず故人の宗旨を尊重します。無宗教葬を希望している場合も含めて、故人の宗旨や意思を最優先に考えるべきでしょう。

家族の宗旨は、檀那寺のお墓に入る場合は影響を受けます。公営墓地や民営墓地の場合は、宗教宗派は問題にされません。

●家の宗旨がわからないとき
問題は仏教です。いくつも宗派があるので、若い核家族のケースでは、自分の家の宗派がわからないということもあるかもしれません。
親戚にたずねるか、もし仏壇があれば、葬祭業者に見てもらうと、わかることがあります。
神道、キリスト教、新宗教の場合は、故人の所属する教会等に連絡します。

●無宗教葬の場合は
故人が無宗教葬をしてほしいと、生前意思表示をしていた場合は、一般にはその意思が尊重されます。しかし寺院(菩提寺)の墓地への納骨は断られる場合もあるので、まずは菩提寺に確認をとりましょう。
公営墓地や民営墓地にお墓があったり、これから墓地を購入する場合は、無宗教葬も自由に行えます。

また、無宗教葬の場合、死者のあの世での安寧に不安を感ずる遺族もあります。遺族の気持ちの安穏ということもしっかり考えながら、宗教を決める必要があります。

※主な宗教・宗派
●仏教
天台宗、真言宗、浄土宗、浄土真宗、臨済宗、曹同宗、日蓮宗
●神道
神社神道、教派神道(黒住教、金光教など)
●キリスト教
カトリック教会、プロテスタント教会

碑文谷 創 『臨終から納骨、法要まで お葬式』小学館、2005年、54-55ページ

葬儀場・斎場検索サイト「葬儀ナビ」

葬儀社情報掲載について

バナー広告掲載について